レベル2 オリジナルな色、形状の器をつくる

陶磁器の色

形は気に入っているんだけど・・・

    これこれ、こんな形状のうつわを探していた!!でもちょっと色がイメージと違う、なんてことよくあります。それがそこについている柄に関することなら、オリジナルな柄をつける、コーナーを参照して下さい。ここで取り上げるのは、うつわ自体の生地の色、のことです。
    陶磁器の生地の色は、大抵の場合、元の土の色プラス釉薬(ゆうやく=うわ薬のこと)で成り立っています。だから、色を変更したい場合、この釉薬を変更すれば可能です。もともとその窯元が扱っている様な釉薬を使って色を変更する場合、案外小ロットでも可能な場合がありますし、そんな場合はほとんどコストも別途必要ない場合もあります。扱っていない場合でも、陶磁器原料業者から容易に手に入る釉薬であれば同じ様に色の変更は可能なのですが、この場合、必然的にコストは高くなります。以前、ちょっとした付出皿をお客様の要望でオリジナル色で50枚作成したら、もとの色の場合の倍のコストがかかってしまったこともあります。
    それと、もう一つ。先ほども言いましたように陶磁器の生地の色は土と釉薬の組み合わせで出来上がっているのですが、もう一つ大きな要素はそれを焼く窯の特性です。同じ土、同じ釉薬でも窯によって仕上がりは微妙に、または全く違うものなのです。これはどういうことかと言うと、自分の思った通りの色を出そうとすると、それなりの努力が必要、つまり何度か試験焼きをしないとだめで、ある時にはいくら努力しても思った通りにはならない、ということです。そこが「焼き物」の奥の深さ、とも言えるのですが・・・。
オリジナルボディだ!!

どこまでいけるか

    オリジナルな形状のものを制作する、だれが考えても大変なことです。陶磁器の場合、大量生産品から完全手作り品まで作り方は様々です。手作りならオリジナル形状はさほど困難なものではありません。作り手に「ここをこうやってこうやって・・・」と口で説明すれば何とかそれらしいものを作ってくれます。反対に、円形のプレートにオリジナルの彫刻を入れて・・・なんてのはずばり「やめたほうがいいですよ。」とアドバイスさせていただきます。出来上がってきた何万枚ものプレートを前に唖然とするあなたを我々は見たくないからです。
    そうは言っても、陶磁器はプラスチック製品などと違い、「金型」ではなく「石膏型」を使用するので物によっては小ロットで済む場合もあります。ただしこれについても、「機能性」ではなく、ただ単に「見た目」だけでオリジナル形状を作成するのであればやっぱりアドバイスは「やめたほうがいいですよ。」。小ロットと言っても一日何万枚もできてしまうプレートよりは「小ロット」というだけですから。
    いずれにしても見積もりを取るのは通常無料です。その見積もりで納得できれば思い切ってチャレンジ!!
まとめ
    このコーナー、具体的説明が他のコーナーよりも少なかったかもしれません。実際の話、特注色を制作したり、特別な形状の制作の話は結構あるのですが、実現までこぎ着けるのはほんのわずか、です。大抵の場合、コスト高にあきらめてしまうケースがほとんど。それでも、たとえば戦前から使っているどんぶりをなんとか復刻してほしい、などという話はなんとか実現までこぎ着けて、お客様に満足していただいているのもまた事実です。このページを読んで「やっぱりだめか・・・」とすぐあきらめてしまう前に是非ご相談いただきたいものです。

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