ワンポイント柄
応用編として、この花柄の部分を取って、そのかわりにこのデザインを、ということも考えられます。これは特に中華食器などによくある要望です。「この竜の絵を取ってそのかわりにこの孫悟空の絵を入れてほしい。」なんてやつです。これについては簡単にできる場合とできない場合があります。それはつまり簡単に言えば、その柄を付ける行程がどのような手順でされているか、ということに関係するのですが、その個々の場合の例をここに挙げているときりがないのでそれについては「具体的にお問い合わせください。」の一言でまとめさせて貰います。この「具体的」というのが実は、オリジナル食器を制作していく上でもっとも大切な事なのですが。
最後にもう一つ予備知識を。「金」色は2色分のコストがかかります。ただしこれは本物の金(正確には本物の金を含有した金色)を使用した場合。「メタリック」とか「マイカ(雲母)」という色を使えば通常の色と同じでできます。仕上がりはやはり本物の金にはかないませんが。
と、簡単にいけばいいのですが現実はとてもきびしいです。前に出した例と同じようにプリントごっこ でカラー写真を色分解して版をつくり印刷してみてください。出来映えは、あっとおどろくひどいもの 、のはずです。元のデザインにもよりますが、スクリーン印刷でフルカラーを表現するのはなかなか困難なものです。単純に3色や4色に分解するのみでは満足のいく仕上がりは期待できません。 それではどうするか?遠回りに見えますが、元のデザインを参考に改めて専門のデザイナーに転写用デザインを書いてもらい、それを細かく色分解して一色一版に置き換えていくのです。この方法ですとほとんどもとのデザイン画とおなじものを作ることができます。ただし、完成度を高めれば高めるほど版数は増加していきます。ちょっとしたデザインでも10版を越えることもまれではありません。この辺は先ほども触れた、「濃淡」とも関係があります。あとは、全体の雰囲気を壊すことなくどこまで版数 を減らすか、ということですがこれはどこまで妥協するか、ということにも密接に関係があります。反対に言えば、コストを気にしなければ別に・・・ということになりますが。
ここでの説明は数量のことはほとんど触れていません。実際にどんなものが作りたいのか、マグカップなのか皿なのか、大きいのか小さいのか、それによって効率良く制作する最低ロットは変わってきます。たくさん作れば安くなり少なければ高くなるのは言うまでもないことです。 満足のいく仕上がりを望むには十分時間を掛けること、これが一番。それによってコストダウンも検討することができますし。でも、飲食店さんが「オリジナル食器を作りたい」って言い出すのって なぜか開店の直前の場合が多いです・・・。
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