レベル2 オリジナルな柄をつける
ワンポイント柄

立派なオリジナル食器!!

    例えばコーヒーカップの受け皿にずっと使っているお店のマークを入れたい。これでできあがったものは立派に「オリジナル」な柄の付いた「特製」食器です。制作の手順等は「名前を入れる」のコーナーに掲載の通りです。マッチ箱や箸の袋、メニューなどそれなりの原稿(もちろん手書きでもかまわないわけですが・・・)を送っていただき転写紙を作成して張り付け、焼き付けてできあがり、というわけです。
    応用編として、この花柄の部分を取って、そのかわりにこのデザインを、ということも考えられます。これは特に中華食器などによくある要望です。「この竜の絵を取ってそのかわりにこの孫悟空の絵を入れてほしい。」なんてやつです。これについては簡単にできる場合とできない場合があります。それはつまり簡単に言えば、その柄を付ける行程がどのような手順でされているか、ということに関係するのですが、その個々の場合の例をここに挙げているときりがないのでそれについては「具体的にお問い合わせください。」の一言でまとめさせて貰います。この「具体的」というのが実は、オリジナル食器を制作していく上でもっとも大切な事なのですが。
より高度に

色数を増やしてみましょう

    「名入れ」レベルからさらに進歩させると、いろいろな色が使ってみたくなります。ここで頭の片隅に置いてもらいたいことは、転写紙はスクリーン印刷で作成する、ということです。プリントごっこで多色刷りの印刷をしたことがありますか?あれと同じことを思い浮かべてもらえばいいです。色一色につき、版を一つづつ作成します。つまり、色を2色使えば転写のコストは2倍、3色使えば3倍になるということです。あと、スクリーン印刷はグラデーションが苦手です。濃淡をきれいに出そうとすると、同系色で濃い色、薄い色を用意して版を重ねてやる必要があります。安く仕上げたいなら「色数少なくべったりした色で」ということになります。
    最後にもう一つ予備知識を。「金」色は2色分のコストがかかります。ただしこれは本物の金(正確には本物の金を含有した金色)を使用した場合。「メタリック」とか「マイカ(雲母)」という色を使えば通常の色と同じでできます。仕上がりはやはり本物の金にはかないませんが。
もっと高度に

例えばここにある花柄を食器に

    自分の気に入った図柄を食器にあしらいたい。だれでも考えることです。そして今までの内容を理解してきた人で、ちょっと余分に知識がある人ならすぐに思いつくのが「色分解」。元のデザインをスキャナーで読みとってそれをPhotoshopなんかでぱぱっと色分解・・・。
    と、簡単にいけばいいのですが現実はとてもきびしいです。前に出した例と同じようにプリントごっこ でカラー写真を色分解して版をつくり印刷してみてください。出来映えは、あっとおどろくひどいもの 、のはずです。元のデザインにもよりますが、スクリーン印刷でフルカラーを表現するのはなかなか困難なものです。単純に3色や4色に分解するのみでは満足のいく仕上がりは期待できません。
    それではどうするか?遠回りに見えますが、元のデザインを参考に改めて専門のデザイナーに転写用デザインを書いてもらい、それを細かく色分解して一色一版に置き換えていくのです。この方法ですとほとんどもとのデザイン画とおなじものを作ることができます。ただし、完成度を高めれば高めるほど版数は増加していきます。ちょっとしたデザインでも10版を越えることもまれではありません。この辺は先ほども触れた、「濃淡」とも関係があります。あとは、全体の雰囲気を壊すことなくどこまで版数 を減らすか、ということですがこれはどこまで妥協するか、ということにも密接に関係があります。反対に言えば、コストを気にしなければ別に・・・ということになりますが。
まとめ
    ふつう、店のシンボルマークやキャラクターマークというものは最初からいろいろな環境で印刷することを想定して作られている場合がほとんどですからこういった物は転写にもしやすいものです。反対に商用デザインからかけ離れたところで生活している人が考えたデザインはそうでない場合が多いようです。このホームページを見る人のほとんどは後者に属するのではないでしょうか。
    ここでの説明は数量のことはほとんど触れていません。実際にどんなものが作りたいのか、マグカップなのか皿なのか、大きいのか小さいのか、それによって効率良く制作する最低ロットは変わってきます。たくさん作れば安くなり少なければ高くなるのは言うまでもないことです。
    満足のいく仕上がりを望むには十分時間を掛けること、これが一番。それによってコストダウンも検討することができますし。でも、飲食店さんが「オリジナル食器を作りたい」って言い出すのって なぜか開店の直前の場合が多いです・・・。

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